心をなごます“柔”の美「竹工芸」の技術を継承し、日本の竹文化を守る

  • 佐川岳彦
  • 栃木県
  • 竹工芸家
  • Icon side 15竹・編組
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心をなごます“柔”の美「竹工芸」の技術を継承し、日本の竹文化を守る

  • 佐川岳彦
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  • 竹工芸家
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  • 竹工芸家 とは?

    使い込むほどに味わいが深くなる日本の竹。その竹の持つ風味や色合いといった特長を生かし、繊細で温かな雰囲気をもつ竹工芸をつくるのが竹工芸家です。

    日本の竹は中の空洞が広く身が少ないことから、強度は海外の竹に比べて落ちるものの、しなやかさと柔軟性に大変優れています。

    古くから日本の竹は、日本人の生活に密着してきました。その歴史は縄文時代にまで遡ることができ、住宅用素材、武器、そして農業・漁業の道具として用いられていました。江戸時代ごろからは茶道や華道の発達に伴い、それらの道具としても欠かせないものとなっています。

    職人・作り手の紹介

    佐川岳彦(さがわ・たけひこ)
    栃木県大田原市出身。設計事務所でデザインの仕事に従事、デザインの基礎を学ぶ。見聞を広げるために、バックパッカーとして中東、欧州へ渡り、日本のものづくりの良さに気がつく。帰国後は、父であり、竹工芸家でもある佐川素峯氏の下で師事。現在「竹工房 素竹庵(そちくあん)」にて修行を積みつつ、作家としての活動も精力的に行っている。

    経歴
    2007年 東北芸術工科大学 建築・環境デザイン学科卒業。株式会社コンテポラリーズ入社 設計デザインの仕事に従事する
    2009年 株式会社コンテポラリーズ退社後、中東・欧州110日の旅へ出発。帰国後、竹工芸家 佐川素峯氏の下で竹の仕事に従事。東北芸術工科大学 建築・環境デザイン学科特別講師となる
    2011年〜13年 栃木県大田原市美術指導相談員となる
    2012年 第5回おおたわら美術館 Second Nature ―勝城蒼鳳の表現― 展を担当する。二期倶楽部主催 山のシューレ。人間国宝 勝城蒼鳳 竹のオブジェ展 制作アシスタント

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    作品・ギャラリー

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    ライフストーリー


    佐川さんの作業風景

    私の両親は、竹工芸の仕事をしており、当然のように竹に囲まれた生活を送ってきました。

    しかし、幼いころの私は、両親がやっている仕事を理解できていなかったかもしれません。
    友達の家と比べて「お父さんもお母さんもよく家にいるなぁ」と思ったくらいで、特別な仕事をしているという認識はありませんでした。初めて両親の仕事に関心を覚えたのは、私が大学生のころです。

    はやりの現代建築が面白いと思ってデザインを勉強していたころ、最先端を追うばかりではなく、昔ながらの伝統工芸も面白そうだと思い、あらためて両親の仕事を見たとき、非常に感動したことを覚えています。

    時がたち、私は竹の持つ美しさ、日本の竹文化の危うさを知り、竹芸家への道を歩み始めました。

    竹の魅力を、精いっぱい伝えていきたいと思います。



    世界を旅して気付いた「日本の伝統工芸を守りたい」気持ち

    私は大学で建築デザインを学んだ後、2年ほど東京の設計事務所で設計デザインの仕事に従事しておりました。そこでは、デザインの手法や作品に対する構成論など多くを学びました。ものづくりの基礎を教えていただいたのです。

    その後、会社を辞めて、自分を見つめ直す意味も込めて、中東・欧州をバックパッカーとして100日以上かけて旅しました。

    その旅の中で、さまざまな国を見てまわるうちに、いつしか自分の国のことを真剣に考えるようになりました。もっと日本という国の伝統を学び、無くなってしまうかもしれない文化を残していくために、何か活動をしたいと思うようになりました。

    そこで、自分に何ができるのかを考えたとき、真っ先に脳裏によぎったものが「竹」でした。

    幼いころから竹と共に生活をし、竹で遊んだ日々…、自分が守るべきものは身近にあったと気がついたのです。


    そして、私は帰国後、父であり、竹工芸家でもある、佐川素峯(さがわそほう)の下で師事をすることになり、竹芸家としての道を歩み始めました。

    知らない人も多いかと思いますが、日本のような精巧(せいこう)な竹工芸は、世界的に見ても非常に珍しいものなのです。

    タイや台湾などアジアの一部でも、竹製品が作られていますが、日本の技術と比べると日用品と量産性に重きを置いています。

    そのため、精巧な竹工芸は、日本を代表する文化であるといっても過言ではありません。

    このすごい技術を、次の世代へ、またその次の世代へと、継承していくことが、私の目標でもあります。



    地元・大田原の人間国宝"勝城蒼鳳"先生の技術を吸収したい

    私が竹工芸の道を歩み始めてから、父以外にもう一人の師と仰ぐ人がいます。

    父の師匠は、八木沢啓造(やぎさわけいぞう)先生という、栃木県大田原市に竹工芸を広めた功労者と名高い人物でした。
    そのとき、父の兄弟子(自分より先に同じ師や親方についた人)だった人物が、勝城蒼鳳(かつしろそうほう)先生です。

    この方は、現在日本に二人しかいない、竹工芸を手掛ける人間国宝の一人で、竹工芸の第一人者として、現在でも活躍されています。
    幼いころから親しくさせてもらっていて、私は父と勝城先生双方から、技術を教わっています。

    父は茶道具を主に作っていますが、勝城先生は一般的なカゴから、創作オブジェまで多岐にわたります。

    2012年に行われた勝城先生の竹オブジェ展では、私もアシスタントとして参加させてもらいました。

    普段の竹工芸では、日用品を作ることが多いため、大きなオブジェを創ること自体が初めてでしたが、勝城先生は空間に負けないスケールで、いくつものオブジェを創っていきました。

    私個人としても、ただ日用品を創るのではなく、いつかは創作オブジェを手掛けてみたいと考えています。
    竹芸家と呼ばれるには、まだまだ経験も知識も足らない部分が多いので、今すぐにとはいきませんが、素晴らしい先生が身近に2人もいるので、これからも多くのことを吸収したいと思っています。



    現代と伝統の美意識・価値観の融合への葛藤と挑戦の日々

    私はもともとデザインの仕事をしていたこともあり、何かを創りだすことは得意だと思っていました。

    しかし、デザイナーだった当時の経験を頼りに、自分流に考えて、竹製品を創ったときに「伝統工芸が持つ、伝統美の様式とは少し違う」と父から言われたことがあります。

    そのとき、自分が持つ感覚と、先人の人たちが培ってきた伝統工芸に対する美意識の感覚の違いを、思い知りました。

    「今の時代にも合わせたいが、伝統を守らなくてはならない」

    これはとても難しい課題であり、今でも葛藤があります。
    あまりにも本来の形からかけ離れてしまうと、それはもう私の自己満足になってしまいます。

    アート作品としてみればよいのかもしれませんが、伝統という意味での「用の美(普段使いの美しさ)」を無視したものになっているのでは、という気がするのです。

    そのため、私が考える今後の竹製品は、竹だけで物を創るのではなく、他の物と組み合わせた製品創りをすることで、竹を身近に感じていただける機会を増やせるのではないかと考えています。

    伝統技法をしっかりと継承しつつも、竹以外の物の力を借りて、さらにより良いものに昇華させること。

    ガラスや布など、竹との組み合わせには、多くの可能性があると思います。

    今はまだ、技術が追いついていない部分があり、実現できないことも多いですが、必ず現代に合う竹製品を開発していきます。



    日本の竹にしかない "人の心を落ち着かせる"魅力を伝えたい

    竹の特長として「軽さ」と「しなやかさ」が挙げられますが、同じような特長はプラスチックも持っています。

    もっといえば、プラスチックの方が日常で使用するにあたって、扱いも簡単であることは明らかです。

    しかし、竹にしかない魅力もあります。

    竹は自然のものですから、使えば使うほど、艶(つや)が増して風合いがよくなっていきます。
    プラスチックのような無機質なものは、ただ劣化していくだけです。

    また東南アジアに分布している竹と、日本の竹は全くものが違うのです。

    海外の竹は、いわゆるバンブーと呼ばれるもので「株立ち(かぶだち)」が多いのです。
    株立ちとは一つの株から複数の竹が生えてくるものを指し、中の空洞が狭く、非常に身がつまっていることが特徴といえます。そのため、強度だけをみれば海外の竹は非常に強いといえます。

    反対に日本の竹は、「地下茎(ちかけい)」と呼ばれる茎が、地下に広がっていて、一つの竹林を形成しています。この日本の竹の特徴は、中の空洞が広く、非常に身が少ないことです。そのため、海外の竹と比べて強度が落ちますが、柔軟性、しなやかさでは、日本の竹に勝るものはないと思います。

    「剛」の海外、「柔」の日本といったところでしょうか。

    日本特有の竹のしなやかさ、美しさ、素晴らしさを知ってもらうためにも、竹工芸を続けていきたいと考えています。竹林を見ると心が和み、落ち着くことがあるかと思います。私も、使う人の心を和ませるような、どこか落ち着く、そんな竹工芸を創っていきたいと思っていますので、どうかこれからの竹工芸を見ていてください。

    編集部からのおすすめ

    その容貌から"竹工芸サムライ"と密かに呼ばせてもらっていますが、日本の竹と竹細工に誇りを持ち、素晴らしさをもっとPRしたい!と意欲あふれる佐川さん。竹細工といえば大分が盛んですが、実は栃木県大田原市にも素晴らしい作り手がいます。人間国宝・勝城蒼鳳先生です。佐川さんは、いつか勝城蒼鳳先生の技術を吸収し、使い手の心を和ます竹細工を作るのが目標と話します。伝統サポーターズ主催のイベントにも度々参加いただき、伝統的な手仕事の普及活動に貢献していただいています。

  • 活動報告

    2016-09-03

    展示のお知らせ

    ■展示のお知らせ2016.08.06〜08.07

    2016.09.28〜10.03 銀座松屋で開催れる銀座・手仕事直売所に出展致します。


    枻出版社から出版される月刊誌Discover Japanにフードスタイリスト高橋みどり氏により取り上げて頂きました。


    ■展示のお知らせ2016.08.06〜08.07

    スペインのカタルーニャ州タラゴナ県で開催される

    14ª Raco dels Artesans La Fira de les Vegetals

    第14回 インターナショナル 植物繊維 工芸展

    に参加します。ヨーロッパ諸国の編み組細工の作家が

    集まり作品を発表するイベントです。竹文化のないヨーロッパで

    竹の魅力を伝えられればよいなと思います。また、作家同士の

    交流なども含め日本の文化を発信したいと思います。



    ■展示のお知らせ2016.06.03〜06.09

    シンガポールにあるJAPAN CREATIVE CENTERで行われる
    CERATIVE-KANTO meets Singaporeにて作品を展示いたします。

    また、それに伴い
    2016.06.17〜06.24 にシンガポールのセレクトショップSupermamaにて展示販売いたします。

    2016.06.24〜06.30 にシンガポール・ION ORCHARDにて作品を展示販売致いたします。


    2016.06.25 山形県山形市 東北芸術工科大学にて開催される芸工大卒業生マルシェに参加します。


    ■この度、地元とちぎテレビさんから取材を御受けしました。

    栃木県の伝統工芸をピックアップした15分間のプログラム

    ですが、ご覧いただければ幸いです。

    とちぎの伝統工芸
    涼風花

    栃木県の風土と県民の生活の中ではぐくまれ
    受け継がれてきた栃木県の伝統工芸品。
    今回は、竹工芸、間々田紐、日光彫を支える職人たちを紹介
    その魅力を満喫します。

    ■とちぎテレビ
    本放送・・・5月23日(月)19:30~19:45
    再放送・・・5月26日(木)20:00~20:15
    ■東京MXテレビジョン
    放 送・・・5月27日(金)12:15~12:30
    ■群馬テレビ
    放 送・・・5月28日(土)10:45~11:00
    ■KBS京都
    放 送・・・5月28日(土)11:30~11:45


    週刊GEORGIAというWebマガジンから取材を受けました。5月16日(月)配信予定!

    『日本の原風景のような竹林が広がる場所で、竹細工づくりに励む職人の物語。』

    という内容で竹細工の話などをさせていただきました。ご高覧いただければ幸いです。



    サポートを受け行った新製品開発の報告をさせて頂きます。

    1、木製蓋八目編小物入れ

    ウォルナット、チェリー、ナラの三種類の蓋を製作してみました。小物を入れても中身が見えにくく今までにない雰囲気が出てきたと思います。

    2、竹籠バック(インナーバック付)


    カゴバックに帆布のインナーバックを製作しました。籠では中身が見えてしまうという問題点を解決し、尚且つ編地から見える布地の色が魅力的に思えます。

    今後も、生活に溶け込む竹製品を製作してまいります。今後ともよろしくお願い申し上げます。




    パリ日本文化会館企画展 第3回「伝統と先端と~日本の地方の底力~」のご報告

    フランス パリ日本文化会館で行われた展示の画像をご紹介します。


    少しでも日本文化発信のお役に立つことが出来れば嬉しく思います。

    今後も竹文化の発信にも力を入れていきたいです。


    第81回東京インターナショナル・ギフト・ショー春2016のご報告

    東京ビックサイトで行われたギフトショーにたくさんの方がいらっしゃいました。

    栃木県内の伝統工芸品の作家の方々と一緒に展示させていただきました。

    お越しいただいた皆様ありがとうございました。


    第81回東京インターナショナル・ギフト・ショー春2016

    会期 2016年2月3日(水)~5日(金)

    会場 東京ビッグサイト

    販売等はございませんが、会期中は会場にいます。


    パリ日本文化会館企画展 第3回「伝統と先端と~日本の地方の底力~」

    会期 2016年2月3日(水)~13日(土

    会場 フランス パリ日本文化会館


    栃木県伝統工芸品展 in青山

    会期 2016年2月5日(金)~17日(水

    会場 伝統工芸 青山スクエア


    同時期に3か所で行いますので、お近くにお立ち寄りの際には足をお運びいただけると嬉しいです。

    また、栃木県で選ばれた7つの工芸品の一つとしてフランスのパリで行われる「伝統と先端と~日本の地方の底力~」に出展致します。少しでも竹工芸の魅力を発信できればと思います。




    新宿タカシマヤにて開催される職人男子展に出品致します。

    期間中、2日、5日、6日、7日は在展予定です。お近くにお出での際はお越しください。

    また、伝統サポーターズで無料のイベントもありますのでお時間があればお参加ください。

    「伝統サポーターズ」コーナー
    参加費無料 トークイベント

    〔体がよろこぶ眠り方講座〕
    ■9月5日(土) 午後2時~2時40分
    ※先着20名様まで
    講師 大郷卓也

    〔日本刀講座〕
    ■9月6日(日) 午後2時~2時40分
    ※先着20名様まで
    講師 大塚寛信

    http://www.takashimaya.co.jp/shinjuku/shokunin2015/index.html





    無事、個展が終了致しました。

    ご高覧いただいた多くの皆様に、この場をお借りしお礼を申し上げます。

    ありがとうございました。


  • サポーターからの応援メッセージ

    まだ応援メッセージはありません。

  • コミュニティ

    タラポン 様へのお願い


    お世話になります。

    お陰様で、プロジェクト成立に至りお礼の品をお送りしたいと思っております。

    そこでお願いがございます。

    月額1000円コースを選択頂いた方に

    1. 竹の節を利用した小鉢(1個)

    2. 鍋敷き(1個)

    どちらか一つ選んで頂いております。

    お手数ですが、メールにてお知らせいただければ幸いです。

    bamboostudio.sochikuan@gmail.com

    までよろしくお願い申し上げます。

    その他にもご質問ご要望等がございましたら何なりとお申し付けください。

    今後ともよろしくお願い致します。

    竹工房 素竹庵

    佐川岳彦

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  • プロフィール

    作り手の紹介

    佐川岳彦(さがわ・たけひこ)
    栃木県大田原市出身。設計事務所でデザインの仕事に従事、デザインの基礎を学ぶ。見聞を広げるために、バックパッカーとして中東、欧州へ渡り、日本のものづくりの良さに気がつく。帰国後は、父であり、竹工芸家でもある佐川素峯氏の下で師事。現在「竹工房 素竹庵(そちくあん)」にて修行を積みつつ、作家としての活動も精力的に行っている。

    経歴
    2007年 東北芸術工科大学 建築・環境デザイン学科卒業。株式会社コンテポラリーズ入社 設計デザインの仕事に従事する
    2009年 株式会社コンテポラリーズ退社後、中東・欧州110日の旅へ出発。帰国後、竹工芸家 佐川素峯氏の下で竹の仕事に従事。東北芸術工科大学 建築・環境デザイン学科特別講師となる
    2011年〜13年 栃木県大田原市美術指導相談員となる
    2012年 第5回おおたわら美術館 Second Nature ―勝城蒼鳳の表現― 展を担当する。二期倶楽部主催 山のシューレ。人間国宝 勝城蒼鳳 竹のオブジェ展 制作アシスタント

    直近の目標

    生活に豊かにする竹製品をつくりたい。 竹だけてなく、他素材と組み合わせ生活に溶け込む製品を開発したい。 竹製品を展示して、一般公開できるギャラリーを作りたい。

    将来・未来の目標

    日本の竹文化を守れる人間になること。また、海外の竹とは違う、日本の竹の美しさを知ってもらいたい。

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